Tulip  チューリップ、お花の事ではない

サイケって言葉御存知ですか。イカスでしょ

「魔法の黄色い靴」さて、何処が衝撃だったのだろう。あくまで私見。
まずイントロ。のっけからシンコペーション。当時としては、変な和声の転調。1~4~5、1~3m~4~5の7、(本来のローマ数字が機種依存文字として拒否されました、分り難くて、すみません)とか、そんなコード進行に慣れた耳には衝撃でした。転調と云っても近親調メージャーから3度下のマイナーへでも無い。(ビートルズは別ですよ)フワフワしている様で、強引な転調のようで、不思議な曲です。
 そして歌詞の乗っけ方。日本語のアクセント無視。私の好きな童謡「赤とんぼ」もそうですね。本来の(aka tombo)のアクセントはkaのaに有りますが
この曲は最初のaに有りますね。発表当初には批判があったそうで。
先人の業績はもちろん在ったのですが、商業ベースの日本のポップスで、此処まで日本語のアクセント、リズムを無視して成功したのはチューリップが最初では?4~5年後サザンオールスーターズが出て、更に崩しましたが。初期の桑田さんのボーカルに私は繊細さを感じません。(サザン嫌いじゃないです)
 その後、業界受けは良かったのだが、今ひとつ売れ悩み、「心の旅」をリリースしたのはファンなら常識ですね。この曲Fのスケール上をダイナミックに駆け上がるサビは素晴らしいと思いますが、「旅立つ僕の~」と始まるBメロは上記で述べた3度下への転調でFからDmに移ります。これは特に目新しい事では無いので、この曲のヒットは、やはりAメロと歌詞のおかげでしょう。
2004.7.1今日はここで脱稿。
8年前この名のアドレス取得、早い者勝ち

 さて「心の旅」ヒット後、所属事務所のシンコーミュージックの意向で、彼らはアイドルバンド路線になります。ニックネームを付けたり姫野さんなんて、人差し指をほっぺに当ててニッコリなんて写真を撮ってますからね。今の彼を見たら信じられませんね。その路線で「夏色の思い出」これは唯一、外部の人間が作詞ですが、松本隆をメジャーにしました。そして「銀の指環」。この後リーダーの財津和夫が路線を替え、あのポップス史上に輝く、大名曲「青春の影」をリリースします。東芝EMIもシンコーさんも偉い!この曲は和声的にはベース音が1音ずつ降りて行く古典的手法くらい。もうメロディー1発。これが全て。イントロ無しの最初の4小節で、打ちのめされないポップス好きはいないでしょう。いつファルセットになるか成らないかの、財津さんの声質にもはまり最高の出来です。福山雅治もカバーでかなり決めてましたね。多くのバージョンが有りますが、私はアルバムテイクが一番好きです。ダブルトラッキングボーカルで、気持ちが入り過ぎに成りそうな曲を淡々と歌っています。
 近年TVコマーシャルでも使われていますので、新たなファンを作っています。じっくり聴いた事の無い方、聴いてください。チューリップを見直す事、確実です。
2004.7.2脱稿


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